まだ朝露の残る、やわらかな光があふれる庭。
その庭は、どこまでも続く花の香りと、風にゆれる木漏れ日で満ちていました。
すこし苔むした石の上に、リラックマとコリラックマは静かに腰かけていました。
ふたりは旅の途中。

「何を探しているの?」と花の間から顔を出したちょうちょが尋ねました。
リラックマは少し考えてから、「…うーん、のんびりできる場所かな」と答えました。
コリラックマは笑って、「あと、おいしいパンケーキも!」と小さな手をあげます。
庭には、時間がゆっくりと流れていました。
陽ざしは葉っぱの間からこぼれ、草花の色をやさしくにじませて、まるで絵筆で塗られたよう。
鳥の声も、風の音も、すべてが音楽のように心をくすぐります。

ふたりは木陰にある丸いテーブルにつきました。
そこには、小さな妖精たちが焼いたふわふわのパンケーキと、はちみつ入りの紅茶がそっと置かれていました。
「ここが、探してた場所かもね」と、コリラックマがささやきます。
リラックマはうなずきながら、目を細めて遠くの花畑を見つめました。
その日、ふたりは何もしませんでした。
ただ、光の中でまどろみ、風にまかせて時間をすごしました。
けれど、その「なにもしない時間」こそが、いちばん大切なものだと、ふたりは知っていたのです。
やがて日が傾き、庭の色が少しずつ変わっていく中、ふたりはそっと手をつなぎました

リラックマとコリラックマの旅はまだ続きます。
けれど、この庭の記憶は、きっとずっと心にのこるのでした。